職業こぼれ話|隙間バイトの現場で見えてくる人たちの姿

隙間バイトの現場で感じた、時間と生活リズムを大切にする働き方 職業こぼれ話

本業と副業の間で、自分のリズムを探す働き方のイメージ自動車会社の受付の仕事に入ったとき、
事務員さんがとても話し好きな方で、
仕事の合間にいろいろなお話を聞かせてくれました。

隙間バイトの現場で出会う人たちについて話題になったとき、
事務員さんは少し驚いたように、こう言いました。

「ほとんどの人が、本業を持っているんですよね。
専業主婦で、たまに隙間バイトをしている、という人には
今まで会ったことがなくて。」

自動車会社の受付の仕事は、土日が中心です。
ということは、
平日に本業をして、
さらに土日に隙間バイトをしている人が多い、ということになります。

「休まなくて大丈夫なんですか?」
と聞くと、

「動いていないとダメなんです、って言う人が多いんですよ」

事務員さんは笑いながら
「私には無理無理」と言っていました。

そんな話をしている中で、
事務員さんは、もうひとつ印象的なことを教えてくれました。

「隙間バイトで、いろんな仕事を経験できるので、
本業のプラスになっている、って言ってた人もいましたよ」

すべての人に当てはまる話ではないかもしれません。
けれど、違う現場に立つことで、
物の見方が変わったり、
人との距離感が掴みやすくなったりすることは、確かにありますよね。

隙間バイトは、収入のためだけではなく、
自分の立ち位置を確認する場として、
使われている場合もあるのかもしれません。

また、先の「動いていないとダメなんです、って言う人が多いんですよ」
というはなし、実は私にも心当たりがあって、頷いてしまうのです。

何もしないことが回復になる人もいれば、
少しでも体や心を動かしていないと、
逆に不安になってしまう人もいる。

動いていないと、生きている感覚が薄れてしまう。
それは決して大げさな話ではなく、
生き延びるために必要だった感覚なのだと思います。


隙間バイトの現場では、
同じ仕事をしている人たちと顔を合わせることはあっても、
仕事が終われば、皆さん驚くほどさっと帰っていきます。

立ち話をすることも、
ゆっくり雑談をすることも、ほとんどありません。

それでも、何度か同じような現場に入るうちに、
少しずつ見えてくるものがあります。

それは、
「何らかの事情で正社員やパートに就けない人が集まっている」
というよりも、

すでに一つ仕事を持っていて、
その上で、副業として隙間バイトをしている人が多い、
という印象です。

また、今は隙間バイトだけをしている人であっても、
「これだけでは、とてもやっていけない」
という声を耳にすることは、確かにあります。

そういえば、お弁当屋さんで働いた時、
「本業は?」と、当たり前のように聞かれて、どうして「本業がある」とわかるんだろう、と驚いたことがあります。

隙間バイトの現場にいる人たちは、

本業一本でもなく、
がむしゃらな副業勢でもなく、
生活の事情を抱えながら、
自分のリズムを探している人たち

──そんな存在なのではないかと感じています。


隙間バイトの現場は、
人と深く関わらない分、
その人の事情がはっきり語られることは少ない場所です。

けれど、
ふとした一言や、
働き方のリズムから、
それぞれが抱えている現実が、静かに伝わってきます。

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