その頃の私は、
「早く辞めるのは、忍耐が足りないことだ」
そんな、少し古い価値観に縛られていました。
つらくても続けることが美徳。
我慢できる人が、信頼される。
そう信じていたのだと思います。
だから、仕事が偏っていると感じても、
「自分がもう少し頑張れば」
「そのうち状況は変わるかもしれない」
そう考えて、踏みとどまり続けました。
けれど、振り返ってみると、
人情で耐え続けても、
状況はよくなるどころか、少しずつ悪化していきました。
頑張る人に、さらに仕事が集まり、
我慢できる人に、さらに負担がのしかかる。
そういう構図が、静かに固まっていっただけでした。
そこで、ようやく気づいたのです。
人は、そう簡単には変わらない。
相手の意識も、職場の空気も、
自分一人の努力で変えられるものではない。
変えられるのは、
自分の考え方か、
自分の身を置く環境か、
そのどちらかしかないのだと。
私は、環境を変えることを選びました。
あの3年は、本当にしんどい思いをしました。
かつてこの職場で働いていた先輩に相談したとき、
「まだ若いんだから、ダメだと思ったらさっさと次にいく!」
と言われたことがあります。
その言葉は、正論でもありました。
でも当時の私は、
「辞める判断」よりも
「情を切らない選択」をしてしまったのだと思います。
そして先輩は、そんな私に気づいていたのかもしれません。
だからこそ今は、
年齢に関係なく、
自分の心がもう答えを出しているかどうかを、
大切にしたいと思っています。
あの3年は、無駄だったとは思いません。
けれど、同じ状況に置かれたなら、
今の私は、もっと早く決断するでしょう。
この話は、
「我慢が足りなかった」という反省ではなく、
「我慢だけでは解決しないことがある」
という、ひとつの学びです。
同じように、
「自分が変われば何とかなる」
そう思って踏みとどまっている人がいたら、
その選択肢の外に、
環境を変えるという答えもある
ということだけは、伝えておきたいと思います。


コメント