投稿者:Tさん/50代男性
首都圏のJRターミナル駅構内で、岡山県の物産展販売の仕事をしたことがあります。
駅構内での販売と聞くと、通勤や買い物の途中に立ち寄る人が多く、食べ物などは手に取ってもらいやすいのではないかと思っていました。
一方で、販売する商品の中には、デニムやコートなど数万円するものもありました。
「駅ナカの物産展で、このくらいの価格の商品はどれくらい売れるのだろう」
仕事を始める前は、そんなことも気になっていました。
朝は設営、夜は片付けから終わる仕事
駅構内の物産展は、朝からそのまま販売できるわけではありません。
何もない場所に棚や備品を運び込み、商品を並べるところから一日が始まります。
岡山のお菓子や加工品、雑貨、デニム製品などを見やすいように陳列し、お客様が足を止めやすい売り場をつくっていきます。
そして営業が終われば、毎日すべての商品や備品を片付けます。
駅構内の限られたスペースで行う仕事なので、販売だけでなく、設営や撤収も大事な業務のひとつでした。
「ここでしか買えない」から立ち寄ってくれる人がいる
実際に働いてみると、食べ物はもちろん、岡山のデニムを探していた方や、岡山出身で懐かしさを感じてくださる方もいました。
私が思っていた以上に、お客様にとって物産展は「たまたま通りかかった売り場」ではなく、「ここでしか手に入らないものに出会える場所」でもあるのだと感じました。
期間限定だからこそ、わざわざ立ち寄ってくださる方もいます。
印象に残っているのは、朝の出勤時にちらっと商品を見ていった方が、夕方にもう一度来てくださったことです。
その時はゆっくり足を止めて、「家族へのお土産に」と言いながら、あれこれ話しながら商品を選んでくださいました。
そうした会話の中から、その方の暮らしや家族の様子が少し見えてくるのが楽しかったです。
「昨日来て美味しかったから、今日は友達を連れてきちゃった」という主婦の方もいました。
締め作業をしている時に、「間に合った!」と急いで来てくださった方もいます。
それだけ楽しみにしてくれていたのだと思うと、本当に嬉しかったです。
こうしたお客様との出会いが、この仕事の一番の魅力でした。
駅構内でも冬はかなり寒い
ただ、大変だったこともあります。
それは気温です。
駅構内というと、室内で暖かいイメージがあるかもしれません。
しかし、よく考えれば階段を上がればホームがあり、外ともつながっています。
一日中その場所に立っているため、冬は床のコンクリートからくる冷えと、吹き込んでくる風が本当にこたえました。
個人的には、夏の暑さよりも冬の寒さの方がずっと辛かったです。
立ち仕事なので足元から冷えやすく、防寒対策はかなり大事だと感じました。
またやりたいと思える販売の仕事だった
それでも、この仕事をまたやりたいかと聞かれたら、私はやりたいと思います。
岡山の方が大切に作った商品を東京に届け、それが売れた時には、生産者の方の力に少しでもなれたように感じられました。
ただ商品を売るだけではなく、その土地の魅力や作り手の思いも一緒に届けているような感覚がありました。
寒さや立ち仕事の大変さはあります。
それでも、温かいコーヒーのありがたさや、お客様の何気ない言葉の温かさが身に沁みる仕事でもありました。
駅構内の物産展販売は、体力的には楽な仕事ではありません。
けれど、人と話すことが好きな方や、地域の商品を紹介することにやりがいを感じる方には、向いている仕事だと思います。


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